共有馬主とは、馬主資格を持つ複数の個人が1頭の競走馬を共同で所有する制度です。一口馬主がクラブ法人の所有馬に「出資」する仕組みなのに対し、共有馬主はあなた自身が法的に「馬主」として登録されます。最大20名で1頭を所有でき、月々の維持費は地方競馬で1口あたり1〜3万円が目安。僕自身は、サクセスブルー、クロイゼルング、ファリーザと3頭の共有馬を所有しています。

共有馬主の仕組み
共有馬主の法的な位置づけは?
共有馬主は、競馬法に基づく正式な馬主制度です。JRA(中央競馬)では最大10名、NAR(地方競馬)では最大20名で1頭の競走馬を共同所有できます(出典: JRA公式)。
ここが重要です。共有馬主は「出資者」ではなく「馬主」です。レースの出馬表に代表馬主の名前が載り、勝てば表彰式に参加できます。僕が最初にこの制度を知ったとき、正直「こんなのあったのか」と驚きました。馬主になる=立場的にも、金銭的にも一頭の馬を持つ責任が生じると思っていましたが、「馬主」でありながらそれを複数人で持つということが可能なのです。

共有の割合はどう決まる?
持分は口数で決まります。例えば20口の馬を2口所有すれば、持分は10%。
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馬代: 全体の馬代 × 持分比率
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維持費(預託料): 毎月の費用 × 持分比率
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賞金: 獲得賞金 × 持分比率(営業者報酬・源泉徴収後)
僕のクラブでは20口で募集することが多いので、1口あたり5%の持分です。5%でも関係者との距離が近い「共有馬主」は、より「自分の馬」という実感を持つことができますよ。
僕が一口馬主から共有馬主を選んだ理由
僕は2022年に一口馬主を始めました。シルク、ノルマンディー、ワラウカド、DMM、東サラ、サンデー、キャロットと、主要クラブに在籍しました。
馬が走る感動は確かにあります。ただ、やっていく中で一番感じたのは自分で決められる範囲がめちゃくちゃ少ないということでした。
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このレースに出たいと思っても決められない
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この騎手に乗ってほしくても指名できない
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連戦してほしいと思っても自分の判断では動かせない
当たり前なんです。一口馬主は馬主じゃないから。クラブが決めたレールの中で、自分の出資馬を応援するという形。その「面白さ」を感じられなくなったのが、共有馬主にステップアップした一番の決め手でした。

共有馬主になると、代表馬主を通してローテーションの相談ができる。馬主席に入れる。パドックで自分の馬を間近に見られる。一口馬主との距離感はかなり違いました。
一口馬主と共有馬主の違いをもっと詳しく知りたい方は、共有馬主vs一口馬主の徹底比較をご覧ください。僕のクラブ在籍経験を元に本音で比較しています。
共有馬主のメリット
馬主としての特別な体験
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馬主席からの観戦: 一般席とは全く違う臨場感
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口取り写真: 勝利時に馬と一緒に写真撮影
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調教師・騎手との直接交流: 馬の状態を直接聞ける
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レース選択への関与: 代表馬主と相談できる
僕が初めて口取りをしたのは、ハネダブライアンの新馬戦でした。先生の評価もあまり高くなくて、勝つとは思っていなかったんですが、ぶっちぎりの圧勝。たまたま娘と一緒に見ていて、急いでパドックに降りました。
初めての口取りだったから、どこに立っていいのか全然分からなくて。「馬主さんここに立ってください」と言われるがままにバタバタしながら撮影。勝ってからの時間が本当に短くて、あっという間でした。ただ後日、写真館からちゃんと撮った写真が届いたとき、感動が蘇りました。
リアルウイニングポスト
馬主になって一番やって良かったと思うのは、いろんな人との繋がりが生まれたことです。調教師さんや騎手だけじゃなく、馬主同士の交流がある。情報交換したり、それが仕事に繋がったこともある。
ウイニングポストっていうゲームがあるけど、まさにそれと同じ感覚。良い馬を買うと良い調教師さんが預かってくれて、勝つと良い騎手が乗ってくれて、有名になると有名な馬主さんが話しかけてくれる。リアルウイニングポストを自分で体験できている。これが一番の魅力です。

費用を分担して馬主になれる
地方競馬の共有馬主は1口あたり月1〜3万円程度の負担感です。馬代も20口で割れば1口10万〜40万円程度。「馬主」という肩書を持てるのにこの費用感は、正直かなりコスパがいいと思っています。

費用の詳細や競馬場別の預託料比較は費用ガイドに、僕の所有馬の実際の収支データは馬主のリアル収支データにまとめています。
共有馬主のデメリット
赤字になることもある
これは隠しても仕方ないので正直に言います。馬主は基本的に赤字になりやすい。
僕の所有馬でも、一番良かった月は+669万円、一番悪かった月は-176万円。勝てない月が続くと預託料だけが出ていきます。「儲かるからやる」という動機の人にはおすすめしません。馬が好き、馬主という体験自体に価値を感じる人に向いています。
ちなみに、辞めたいと思った瞬間はないです。最悪のケースを想定して始めたので、赤字でも覚悟はできています。
馬主資格の取得が必要
共有馬主は馬主資格が必須です。JRAは所得条件あり(過去2年の所得2,000万円以上)、地方競馬は年収500万円から取得可能。僕の場合、書類準備に2週間、申請から取得まで約6ヶ月でした。
具体的な申請の流れや必要書類については始め方ガイドで、僕の実体験を含めて詳しく解説しています。
意思決定を共有する
複数名で所有するため、引退の判断やレース選択は代表馬主に一任する形になります。「完全に自分だけの馬」という感覚は個人馬主には劣ります。ただ、クラブによって共有者への相談頻度は大きく異なります。
共有馬主クラブの選び方
クラブ選びで一番チェックすべきは馬代の上乗せ金額です。
共有馬主クラブの収益源は3つ(馬代の上乗せ・営業者報酬・会費)ありますが、営業者報酬(3〜5%)や会費はクラブ間で大差ありません。差が出るのは馬代への上乗せで、0%から100%超まで幅があります。
セリで落とした馬なら落札価格を確認できますが、自家生産の馬も要注意。同じ血統がサマーセールでいくらで取引されているかを調べて、販売価格とのバランスを見てください。
各クラブの詳しい比較は共有馬主クラブ12社比較をご覧ください。
共有馬主は今後広まるのか?
結論から言います。確実に広まります。
地方馬主の資格は年収500万円で取得可能。サンデーの40口(1口数百万円)を買える人なら地方馬主は絶対に取れます。ただ1頭丸ごと持つとサンデー1口の約20倍のお金がかかるので、「まず共有馬主から」という動きが加速しています。実際、地方馬主の資格取得者が急増して審査が遅くなっているという話を関係者から聞いています。
今は共有馬主クラブが10クラブくらいに増えた段階。これからは自分が代表馬主になって自由に募集できるプラットフォームが出てくると思っています。共有馬主って、やっぱり代表馬主が一番楽しいんですよね。うまポイ共有オーナーズでも、そういう仕組みを作っていきたいと考えています。
一口馬主から共有馬主への具体的なステップはステップアップガイドで解説しています。
naoyaのYouTube動画と解説記事
よくある質問
共有馬主に馬主資格は必須ですか?▾
はい、必須です。共有馬主は法的に「馬主」として登録されるため、JRAまたは地方競馬の馬主資格が必要です。地方競馬なら年収500万円から取得可能で、書類準備に2週間、審査に2〜6ヶ月程度かかります。
共有馬主の月々の費用はいくらですか?▾
地方競馬で1口あたり月1〜3万円、中央競馬で月3〜8万円が目安です。馬代(初期費用)は1口あたり10万〜40万円が多いです。
一口馬主から共有馬主にステップアップできますか?▾
できます。一口馬主を続けながら馬主資格を取得し、共有馬主に移行するルートが一般的です。
共有馬主で利益は出ますか?▾
馬主全体の収支がプラスになるのは少数派です。僕の所有馬でも黒字と赤字が混在しています。馬主体験そのものに価値を感じる人に向いています。
共有馬主クラブはどう選べばいいですか?▾
一番チェックすべきは馬代の上乗せ金額です。営業者報酬や会費よりも、仕入れ値と販売価格の差が最も影響が大きい。







