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競走馬の購入ルート比較

最終更新日: 2026年4月5日

競走馬の購入ルートは大きく3つ――セリ市場・庭先取引・サラオク。 初心者はセリ市場から入るのが最も安全で、中でもサマーセールが価格・情報量のバランスに優れている。僕自身、セレクトセール・セレクションセール・ブリーズアップセールで3頭を購入した経験から、各ルートのリアルを書いていく。

競走馬の購入ルート完全比較

競走馬を買う方法はセリ市場庭先取引、**サラオク(オンライン)**の3つに大別できる。それぞれ価格帯も情報量もまるで違う。どのルートを選ぶかで、馬主としての最初の1年が決まると言ってもいい。

項目セレクトセールHBA市場(サマー等)トレーニングセール庭先取引サラオク
価格帯1,000万〜数億円200万〜5,000万円500万〜5,000万円数十万〜数億円100万〜2,000万円
平均価格約4,000〜5,000万円約500〜1,500万円約1,000〜2,000万円交渉次第約300〜800万円
対象馬当歳・1歳(良血馬)1歳(幅広い血統)2歳(調教済み)年齢問わず現役馬・未出走馬
馬の確認事前下見事前下見調教映像あり牧場で確認映像・データのみ
初心者向け××

一つずつ、僕の実感を交えて整理していく。

セレクトセールは馬の値段こそ張るけれど、厩舎の手配から育成まで手厚い。何よりノーザンファームの牧場見学でVIP待遇を受けられるのは、馬主としての充実感が段違いだった。サマーセールは値段が手頃で、日高の中ではリスクの少ない馬が集まりやすい。初めて馬を買う人にはここを勧めたい。

トレーニングセールはどうか。すでに2歳馬だからデビューまでのコストが抑えられる――と僕も一度購入しかけた。ただ、訳ありの馬が紛れていることも多く、信頼できる調教師が隣にいない初心者には見極めが難しい。庭先取引はそもそも牧場との縁がなければ話が来ない世界。サラオクはすぐ買えるという手軽さがある反面、注意すべき点が多い(後述する)。

共有馬主であればクラブ経由で馬を選べるので、購入ルートの判断が不安な人はまずそこから入るのもひとつの手だ。

セリ市場の種類と特徴

JRA系セリ市場

市場名主催開催時期対象平均価格帯
セレクトセールJRHA7月当歳・1歳4,000〜5,000万円

出典:日本競走馬協会(JRHA)

セレクトセールでの馬の下見
セレクトセールでの馬の下見

僕がセレクトセールに初めて参加したのは、経営者仲間の有名馬主さんにふと誘われたのがきっかけだった。当時は馬主になるという選択肢は思いつきもしなかった。

会場に着いて驚いた。芸能人の有名馬主、現役ジョッキー、競馬関係者がそこら中にいる。ご飯は食べ放題。落札するとシャンパンが出てくる。そんな世界観に圧倒された。

実際にセリに立ち会うと、手を上げるたびに100万円ずつ価格が上がっていく。まだ馬主にもなっていないのに「落札したい」と思ってしまった。脳汁が出る、というのはまさにあの感覚だった。セレクトセールは買わなくても一度体験する価値がある。セレクションセールやサマーセールに向けた場慣れとしても最適だ。

HBA(北海道市場)系セリ市場

市場名開催時期対象平均価格帯特徴
セレクションセール7月1歳(選抜)2,000〜3,000万円セレクトに次ぐ高水準
サマーセール8月1歳500〜1,000万円最大規模(5日間)
セプテンバーセール9月1歳300〜600万円掘り出し物も
オータムセール10月1歳200〜400万円最も手頃
トレーニングセール5月2歳1,000〜2,000万円走りを見て判断可
ブリーズアップセール4月2歳500〜1,500万円調教映像で判断可

出典:北海道馬主協会(HBA)

日高のセリは後半になるほど安くなる。ただ、安くなるぶん馬の質も分かりやすく下がっていく。レポジトリーに問題のある馬も増えるので、「安いから」という理由だけで後半のセリに飛びつくのは危険だと感じている。

セリ市場での購入後にかかる育成費や預託料については、費用ガイドでまとめている。

庭先取引

セリ市場を通さず、生産者と直接交渉して購入する方法。

メリットデメリット
価格交渉が可能相場観がないと適正価格がわからない
競合入札がない信頼関係が必要
じっくり馬を見られる情報が非公開で選択肢が限定的
セリ手数料がかからない品質の保証がセリ市場より弱い

庭先取引は基本的に牧場の言い値になる。セリより安いとは限らない。相場が分かっていない初心者がいきなり手を出すのはおすすめしない。僕の場合は、セリでご縁ができた牧場さんに見学へ行った際、「良い馬がいれば声をかけてください」と伝えるところから始めた。まずはセリで牧場との関係を作り、その延長線上に庭先取引がある、という順番が自然だと思う。

サラオク(オンラインオークション)

インターネット上で競走馬を売買するプラットフォーム。自宅から参加できる手軽さが最大の特徴。

メリットデメリット
自宅から参加可能馬を直接見られない
比較的安価(100万〜)ケガのリスクが見えにくい
地方競馬向けの馬が豊富人気馬は価格が高騰

守ってほしいことが3つある。オンラインオークション形式なので熱くなりすぎないこと。時間は限られるが、可能なら在厩場所に獣医を送ってチェックしてもらうこと。そして預託先を決めてからオークションに参加すること。この3つを押さえておけば、大きなリスクはかなり回避できるはずだ。

僕の実購入事例

セレクションセールでのハネダブライアン
セレクションセールでのハネダブライアン

馬名購入ルート購入価格結果
ウィングブルーセレクトセール(当歳)約2,709万円JRA1勝
ハネダブライアンセレクションセール約740万円川崎OPレース勝利
クロイゼルングブリーズアップセール約418万円川崎在籍中

ハネダブライアンはセレクションセールで740万円で購入した馬だ。川崎競馬でデビュー勝ちを決めてから、OPレースまで駆け上がった。高額なセレクトセールだけが活躍馬を生むわけではない。セレクションセールやサマーセールにも、走る馬はちゃんといる。

購入時の注意点

馬を買うのは高額な判断。勢いだけで踏み切ると後悔する。

注意点詳細
獣医検査(レポジトリ)を確認セリ市場では獣医検査結果(レントゲン等)が公開される。脚元の異常がないか必ず確認する
血統だけで判断しない良血でも走らない馬はたくさんいる。馬体のバランスや歩様も重要
サラオクは情報が限られる既走馬は故障歴が見えにくい。出走履歴や映像を必ずチェック
予算に余裕を持つ馬代金だけでなく、育成費・預託料・保険料が購入後に発生する
初心者は経験者に相談調教師や経験のある馬主に意見を聞くことで失敗リスクを減らせる

「予算に余裕を持つ」は本当に大事で、購入後の維持費については費用ガイドで競馬場別にまとめている。馬代だけで予算を使い切ると、毎月の預託料で首が回らなくなる。

サラオクでの失敗談

僕はサラオクで購入したパーディシャーという馬を、わずか1戦で失った。屈腱炎を発症して引退。手軽に買える反面、馬の状態を直接確認できないリスクがどうしても残る。購入前に可能な限り映像や出走データを確認し、信頼できる調教師の意見を聞く。この手間を省いたツケは大きい。

購入ルート別おすすめ

あなたの状況おすすめルート理由
JRAで走らせたいセレクトセール・セレクションセール良血馬が多くJRA向き
地方競馬で走らせたいサマーセール・ブリーズアップ手頃な価格帯で地方向き
初めての馬購入セレクトセール・サマーセール幅広い価格帯、判断材料が豊富
予算300万円以下オータムセール・サラオク最も手頃な価格帯
走る姿を見て決めたいトレーニングセール・ブリーズアップ調教済み2歳馬を評価可能

購入後の費用は費用ガイドで競馬場別に比較している。

育成牧場での坂路調教
育成牧場での坂路調教

個人馬主のハードルが高いと感じたら、共有馬主から始めるのも一つの手だ。クラブ比較を見れば、自分に合ったクラブが見つかるはず。馬を持つ方法は一つじゃない。自分の予算と経験値に正直になって、無理のないルートを選んでほしい。募集馬一覧もチェックしてみてほしい。

naoyaのYouTube動画と解説記事

よくある質問

初心者が馬を買うならどのルートがおすすめですか?

サマーセールがおすすめです。価格帯が手頃(500〜1,000万円)で、獣医検査結果も公開されるため判断材料が豊富です。セレクトセールは場慣れのために見学だけでも価値があります。

セリ市場に参加するのに資格は必要ですか?

セリ市場への参加自体に馬主資格は不要です。ただし、落札した馬を所有するには馬主登録が必要になります。まず見学だけ行くのもおすすめです。

サラオクで馬を買うのは危険ですか?

直接馬を確認できないリスクがあります。僕もサラオクで購入した馬が1戦で引退しました。購入前に映像・出走データを確認し、可能なら獣医チェックを入れることが重要です。

庭先取引はどうやって始めればいいですか?

まずはセリ市場で牧場との関係を作り、見学に行った際に「良い馬がいれば声をかけてください」と伝えるのが自然な入口です。相場観がない段階で手を出すのはおすすめしません。

共有馬主クラブ経由で馬を持つのと、セリで直接買うのはどう違いますか?

クラブ経由なら馬選びのリスクをクラブと共有でき、手続きも簡単です。セリで直接買えば自分の目で馬を選べますが、経験と予算が必要になります。初心者はクラブ経由から始めるのが安全です。

競馬場のパドック風景

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